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2016年7月20日
損益計算書の基本的な見方と2つのポイント
1. 損益計算書とは?
損益計算書はP/L(Profit and Loss Statement)とも呼ばれ、企業の一定期間の経営成績を「収益」「費用」「利益」から見ることができるものです。
つまり、今期(一定期間)、会社はどれだけお金を稼いで(収益)、どれだけお金を使って(費用)、いくら残っているのか(利益)がわかるようになっています。
また、「収益」「費用」「利益」は、それぞれ「会社の本業の経営成績」「会社の通常の経営成績」「最終的な経営成績」の3つの経営成績に分けることができます。
1-1. 会社の本業の経営成績
売上総利益
売上総利益は、商品の原価に対していくら利益を上乗せして売り上げたかがわかるため、その商品が稼ぐ力を表しているとも言えます。
販売費及び一般管理費
営業利益は、本業で稼いだお金から、本業で使ったお金を引いて残ったお金ですので、会社が本業で稼ぐ力を表しているとも言えます。
1-2. 会社の通常の経営成績
営業外収益
営業外費用
経常利益は、名前に「経常」がつく通り会社が「通常の活動」を行って稼ぐ力を表しています。
また本業の経営成績に会社の財務成績を含めた利益とも言えます。
1-3. 最終的な経営成績
税引前当期利益
税引前当期利益とは、経常利益に特別利益を足して特別損失を引いて求められる利益です。
毎期の繰り返しを見込める経常利益に、今期に臨時で発生した損益を含めた利益で、今期の実際の利益と言えます。
なお、特別利益、特別損失は、「特別」な場合以外は発生しないこともあります。どちらも発生していない場合は、経常利益と税引前当期利益が同じ値になります。
税金を引いた後の最終的な今期の利益で、この利益が株主配当や内部留保として使われます。
2. 損益計算書 ここをチェック!
2-1. 5つの利益が「利益」になっているかチェック
損益計算書をチェックするとき、最初に確認したいのは「利益がマイナスになっていないか」です。利益がマイナスの場合は「損失」と表します。
特に、会社の通常の利益である「経常利益」がマイナスになっていないかどうかは重要です。
最終的な「当期利益」がマイナスでない場合でも、「経常利益」がマイナスということは、会社が通常の事業をしているときは赤字で、それを補填するために固定資産の売却等で「特別利益」を生みだしていることが考えられます。そういった場合は、売却するものがなくなると「当期利益」もマイナスになる恐れがあるため、事業や資金計画の見直しが必要になります。
2-2. 「売上高利益率」の分析で収益性がわかる
売上総利益率
売上総利益率は、数値が高いほど「利益の大きい商品=付加価値の高い商品」を販売していることになります。
ただし、売上原価の考え方は業種によって大きく異なるので、売上総利益率を比較するときは、同業種または自社の過去データと比較する必要があります。
売上高営業利益率
売上高営業利益率は、数値が高いほど「会社が本業で稼げる力=会社の収益力」が強いということになります。
売上高営業利益率も、売上総利益率と同様に比較するときは、同業種または自社の過去データと比較する必要があります。
売上高経常利益率
売上高経常利益率は、数値が高いほど「財務活動も含めたトータルの会社の収益力」が強いということになります。
一般的に売上高経常利益率が4%以上なら優良企業、5%以上なら超優良企業と言われており、0%を下回っている場合(=利益が赤字の場合)は、収益を上げる、費用を抑えるなど、利益を出すために何らかの改善が必要です。
キャッシュフロー計算書とは?作り方の流れとチェックすべきポイント
貸借対照表(B/S) 貸借対照表(B/S)とは、資産・負債・純資産など、一定期間の財政状況を示した書類です。貸借対照表は期末時点で会社にある資産を示すのに対し、キャッシュフロー計算書は資産の増減の量と原因を表します。 損益計算書(P/L) 損益計算書(P/L)とは、企業の経営成績を示した決算書です。年間の収益・費用・利益の金額が表示され、経営状態の把握に役立つほか、本業とそれ以外の利益をそれぞれ読み取れます。それに対してキャッシュフロー計算書では、本業の一会計期間における現金収入・支出を示す点が異なります。
キャッシュフロー計算書の作り方の流れ
STEP1:必要書類を用意する
STEP2:キャッシュフローを3つの項目に分けて作成する
投資活動によるキャッシュフロー 「投資活動によるキャッシュフロー(投資キャッシュフロー)」とは、企業の投資活動におけるお金の流れを示す項目です。たとえば、有形固定資産や有価証券の取得・売却のように、設備投資や他社への投資や回収などが対象となります。科目は「有形固定資産の取得による支出」といった形で表し、未払金や未収入金の残高と調整しながら数値を算出します。 財務活動によるキャッシュフロー 「財務活動によるキャッシュフロー(財務キャッシュフロー)」とは、企業の資金調達活動におけるお金の流れを示す項目です。資金の調達・返済にともなう増減額が明らかになります。資金の調達の例として、事業資金の借入れや、株式の発行などが挙げられます。返済の例は、事業資金の返済や、配当金の支払いなどです。科目は「長期(短期)借入れによる収入」といった形で表します。
キャッシュフロー計算書のチェックポイント
営業活動によるキャッシュフローのチェックポイント
投資活動によるキャッシュフローのチェックポイント
投資活動によるキャッシュフローは、数値がマイナスであるほど積極的な投資を行っている状況と読み取れます。設備投資を行っている企業では、マイナスになるのが一般的です。また、資金に余裕があり、株式の購入や貸付けを行う企業でも、支出が多くなる傾向にあります。
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